遺産相続:共有状態となった賃貸物件を他の相続人1名が管理しており、賃料収入等の詳細が不明であった事案
2020.11.19解決事例
依頼主 60代 男性
相談前
父は既に亡くなっていますが、今般、母が亡くなり、子4名が相続人となりました。遺産分割協議の結果、賃貸物件を4名が共有することになりましたが、長男が1人でその賃貸物件を管理しており、収支等を明らかにしてくれず、毎月受け取っている賃料が正しいかどうかも分かりません。
相談後
長男に賃貸物件の収支状況を明らかにすること等を内容証明郵便で求めましたが、長男はこれに応じなかったため、共有状態を解消するため、共有物分割訴訟を提起しました。
訴訟では、長男を含む共有者全員で賃貸物件を売却することで合意ができ、売却手続を取ったところ、10億円以上で売却することができ、相談者様だけでなく、全員が納得できる結果となりました。
弁護士からのコメント
共有物分割訴訟は、不動産の共有状態を解消するための手続ですが、共有者全員を裁判の当事者にする必要があります。
分割方法については、売却金を共有者で分割する方法のほかに、共有者の1人又は2名以上が他の共有者の持ち分を買い取る方法など、柔軟な解決が可能です。
今回は、共有者全員の合意の下、任意売却の方法によって、売却金を共有者全員で持ち分割合に応じて分割する方法を取ることができました。
相続の結果、共有状態にある不動産の分割については、法的な問題だけでなく、感情的な問題などもあって、話し合いでは解決が困難な場合も多いので、お早めに弁護士に相談されることをお勧めします。