箕輪法律事務所

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解決事例

企業法務・顧問弁護士:取引先の倒産と売掛金の保全


2020.11.20解決事例

相談前

東京にある木材の輸入・販売会社Aが、四国の木材販売会社Bにカナダ産の輸入木材丸太約3000本を現地の港渡しで約9000万円の代金で売り渡したところ、代金の決済前にBの取引先が手形の不渡りを出して倒産したため、Bも連鎖倒産のおそれがあるので何とか売掛金を保全する方法はないかという相談を受けました。

相談後

3000本の丸太は、港から内陸に車で1時間程のところの製材業者にBが売却する話がまとまったものの、まだ港のヤードに置かれていることが分かったので直ちに地元の裁判所に保全処分の申し立てをして、裁判所の執行官がこれを保管して、Bがこれを第三者に引き渡すことを禁止する仮処分の決定を出してもらうことにしました。

仮処分決定によってBの処分を排除するためには、一刻を争う必要があるため事務所の弁護士が手分けをして、1日で裁判所への申立書を完成してその翌日には、四国の裁判所に担当の弁護士が飛んで、申し立書を提出し、裁判官と面接をして担保保証金を積んで、相談を受けてから3日目には、占有移転禁止の仮処分決定を出してもらえたため、Bが丸太を処分することを阻止することが出来ました。

弁護士からのコメント

仮処分の後は、Bに対する本訴を起こして、最終的な売り渡し代金の保全を確保することになりますが、詐害行為取消権の行使だとか、売り渡し代金の先取特権による保全など、複雑な法律構成を考える必要があるため、法的知識が十分にあり柔軟な考え方の出来る弁護士の関与が不可欠ということが言えます。

この事案では、最終的に裁判所の関与の下、裁判上の和解により売掛金の一部の支払いを受けることで和解が成立しました。売掛金の一部の回収ではありましたが、Bが破産したため他の債権者が配当を全く受けられなかったことを考えれば、速やかに保全処分の手続きをとったことの意味は十分あったケースだと言えます。

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