企業法務・顧問弁護士:輸入木材を売り渡した取引先が手形不渡りを出して倒産した
2020.11.20解決事例
相談前
相手方は、5年来の取引先ですが、今回の取引は一番大きくカナダ産の建築用材の原木約8000万円でした。先方の与信には注意をしていたつもりですが、最後の取引でやられました。
転売先は、四国のある製材業者であり、原木はまだ香川の港にありますので、これを引き揚げたいのですが、どうしたらいいでしょうか。
相談後
物によっては、実力行使で引き揚げを行う例も見られないことはありませんが、これは法の禁止する自力救済ですので避けなければなりません。また、10トントラックで何十台にもなる木材を公然と引き揚げるとなれば、トラブルの原因となり、場合によっては刑事事件にもなりかねません。
相手方の行為は、詐害行為になりますので、訴訟を提起しましたが、取引先が現物を製材して処分したあとでは実効性がありませんので、併行して製材業者を相手に処分禁止の仮処分の申立をしました。
最終的には、和解をして、売り渡し額の3割ほどの金額で和解をし、同額を回収しました。
弁護士からのコメント
取引先は、不渡りを出してから間もなく、弁護士をたてて自己破産をすることになり、配当の原資もなかったため、手を拱いていれば、売掛金は全て回収不能に終わったところですが、早く手を打ったことでその事態は避けられました。