箕輪法律事務所

03-3578-1837受付時間 平日9:30~17:30

メールでのお問い合わせは
こちら

解決事例

遺産相続:【依頼者:会社オーナー】【事業承継】【生前贈与】自分の死後、子供が揉めないようにしたい!将来の会社経営も見据え、事前に贈与を進めた事例


2020.11.19解決事例

依頼主 70代 男性

相談前

私は中小企業のオーナー社長ですが、自分が死んだ後に会社がどうなるか心配です。できれば専務である長男にスムーズに会社を継がせたいのですが、一緒に働いている他の兄弟(長女・二男)は長男に対するライバル意識があり、会社がバラバラにならないか不安です。

妻は既に他界しており、相続人は3人の子供のみですが、事業をうまく継承させ、かつ長男以外の子供に不満を抱かせないためにはどのような方法がありますか。

相談後

長男に会社の株式・事業用財産すべてを相続させるという遺言を作成するという方法も考えられますが、現オーナーの父親の影響力のあるうちに本人が、イニシアティブを取って道筋を示すことが、長男への承継が既成事実として皆が受け入れやすいのではないかとの判断のもと、生前贈与の方法を取ることになりました。

贈与税が心配でしたが、税理士に会社の株式の評価を出してもらったところ、以外に低い金額だったので、贈与税も問題になる額にならずにすみました。

また、贈与に対する遺留分の問題については、近時施行された経営承継円滑化法により、遺留分の対象から除外できるので、この点の心配も解消できることになります。

弁護士からのコメント

何らの対策もしないまま経営者が死亡した場合は、その遺産は法定相続人に法定相続分に応じて承継されることになります。

例えば、会社の株式は、3人の子が3分の1ずつ相続(共有)することになるため、長男以外の子2名が反対すれば、長男は社長に就任できないし、会社の基本的な事項が何一つ決められないということになります。

また、会社の事業用資産(事務所の土地・建物など)が経営者の個人所有であるような場合、経営者が亡くなれば3人の子供の共有になって大変やっかいなことになります。

本件では、生前贈与を選択しましたが、遺言による方法もあり得ます。株式・事業用財産以外に預貯金などの財産があり、これらを長男以外の子供に相続させることにより紛争を回避できるような場合は、遺言が有効な手段になります。

生前贈与の方法をとるにしろ、遺言の方法によるにしろ、税金の問題は適確に処理する必要がありますので、税理士との連携は不可欠です。

page top